今回はペルシア語について見ていきたいと思います。
『ペルシア』と聞いて何を思い浮かべますか?ペルシア猫?ペルシャ絨毯?悲しいことにそれくらいのイメージだと思います。
ペルシア語はイラン、アフガニスタン、タジクの公用語です。またイラク、オマーン、カタール、アラブ首長国連邦、ウズベキスタン、トルクメニスタンなどでも話されており話者数は何と4000万人もいる言語です。
ペルシア語とは?
アケメネス朝ペルシアまでその起源を遡ることができ、約三千年の歴史をもつ言語です。『中東のフランス語』と言われるくらい発音が美しいことでも知られています。
現代ペルシア語と呼ばれる現在の姿に近以下たちとなった10世紀以降は当時の主要な通商路であったシルクロードの共通語として、イランから中央アジアにわたる広い地域で用いられ独自の文化を形成しました。
ペルシア語圏と日本の関係
日本の文化に関心をもつ人も少なくないようで、イランにあるテヘラン大学外国語学部には日本語・日本文学科が設置されており、日本の大学も年間200人以上のイラン人留学生を受け入れています。社会人向けに日本語講座も解説されています。成田空港に中東の航空会社が就航していることもあり徐々に距離感が近くなっています。
ペルシア語と似ている言語
アラビア語との違い
同じようなアラビア文字を使うアラビア語とはどう違うのでしょうか。
ペルシア語は言語区分の上ではインド・ヨーロッパ語族に属し、ドイツ語や英語と同じ印欧語族です。対してアラビア語はヘブライ語と同じセム・ハム族になります。同じ文字を使いながら語族が違うのは面白いですね。
ペルシア語にはアラビア語に無い文字が4つあります。
پ | ぺ |
چ | チェ |
ژ | ジェ |
گ | ガーフ |
借用語
ペルシア語自体は文字からも見てわかるようにアラビア語の影響を大きく受けています。またトルコ語、フランス語からの借用語も多いです。
ペルシア語の借用語が多いのはトルコ語、ウルドゥー語と言われています。ウルドゥー語は10世紀以降イスラームの文化が流入した影響といわれています。
ペルシア語を勉強するメリット
難易度が高くない
文字に対するとっつきにくさはあるかもしれませんが、ペルシア語自体の難易度はそんなに高くないと言われています。理由を見ていきたいと思います。
1.語順が日本語と同じ
ペルシア語は日本語と同じSOV型(主語+その他+動詞)になっています。文を構成するときに同じだと勉強しやすいですよね。
2.名詞の性がない
ドイツ語、ロシア語、フランス語などには名詞に男性名詞、女性名詞があります。ペルシア語には性が無いのでそこも日本語と似ていますね。英語のように三単現はありますが、種類は多くないので頻出の語句は覚えてしまえば後は楽です。
3.発音もそんなに難しくない
巻き舌など難しい発音はありますが、意外とカタカナ読みでも通じるのでカタカナでルビを振って勉強できるのでその点でも勉強しやすいです。
ブランディング化できる
話者数が4000万人もいる割にはマイナー言語に分類されてしまうペルシア語。逆に考えると今現在ペルシア語でブランディングしている方はほとんどいません。英語や中国語などメジャー言語でブランディングされている方と差別化が可能です。発信している方がいないのでビジネスチャンスにもなりえます。
ペルシア語の勉強法
日本語で勉強できるテキストがほとんどないのが難点です。初心者向けとして『ニューエクスプレス ペルシア語』が販売されてはいますが、中級以上のレベルとなると日本語での勉強は正直厳しくなります。
英語で勉強という形にはなってしまいます。英語では「Persian」となります。
困ったことにGoogle翻訳で音声対応してないんですよね。そのうち音声読みも出てくると思いますが、調べたい単語の音声が聞けないのは少々不便ですね。
簡単なフレーズであれば、こちらで聞くことが出来ます。
残念ながら独学では中級以上になったらペルシア語で勉強するか、英語の知識を使って勉強するしかないのが現状のようです。
まとめ
今回はペルシア語について見てきましたがいかがでしたでしょうか。マイナー言語に分類されるペルシア語ですが興味を持っている方のお役に立てば幸いです。